わたしのパンの原点、フランスパンのチーズクッペとベーコンエピ。(私のフランスパンのスタンダートレシピ)

パンレシピ

下からチーズクッペ、ベーコンエピ、ベーコンフランス(ベーコンエピのカットなし)。

私がパンを仕事にしたいと思ったきっかけになったパンです。某コピーライトじゃないですが、「何も足さない。何もひかない。」これ以上もこれ以下もない、シンプルで完全無欠のパンの傑作ですよね。「このパンを毎日焼いて、お客様に喜んでもらって、自分でも食べて、それで生きていけたらどんなに幸せだろう」と、当時思ったことを今でも思い出します。

ベースは「フランスパン的なもの=チャバタ」のレシピとほぼ一緒です。というか、こちらがレシピの源流になりまして、「フランスパン的なもの=チャバタ」のレシピはこれの発展形になります。なので、以降ここのレシピは「基本のフランスパン」としておきます。

基本のフランスパン


キタノカオリ 192g

春よ恋全粒粉 4g

北海道産ライ麦粉全粒粉 4g

ローズソルト 3g

インスタントドライイースト赤 0.4g

水 140g

レモン汁 3滴

モルトエキス 1.5g

具材(生地約110g:1つにつき)

チーズ                                      ブロックタイプをダイスカット 60g(正直、40~50gでも十分だと思いました)

ベーコンエピ、ベーコンフランス                          スライスベーコン1枚、粗挽き胡椒少々、粒マスタード少々

1、ミキシング>一次発酵

最初の注意点は、イースト、塩は、正確に測りましょう。液類>粉類の順にミキサーに投入し、低速3分。フタを開けながら、高速7分(この時、生地がミキサーのプロペラから外れて「空回り」状態にならないように、常に掻き落としをしつつ、生地がプロペラに絡むようにゴムベラで誘導してあげましょう。ミキシング終了後、2リットルくらいの容量のタッパーに油を薄く敷いておき、そこに生地を投入してフタをし、一次発酵を取ります。6~9時間発酵を取ります。「パンを作りたいな」と思う日の前日の寝る前にこの作業をすると、効率が良いです。

2、パンチ>一次発酵>分割>ベンチレーター>成形

6~9時間経過したら(朝起きたら)、ゴムベラで生地をたたむように寄せ集めて逆さにして、綺麗な面を上にしてフタをします(水分過多でベトベトしますのでお気を付けくださいまし)。更に3時間発酵を取ります。発酵終了後、分割に入ります。まずは、キャンパスシートに打ち粉を擦りこませ、そこに生地の入ったタッパーを逆さにして、生地を取り出します(なるべく「お豆腐」みたいに生地がそのまま出てくるように心がけましょう)。生地を包丁やスケッパーや、カードなどで3等分にカットします(なるべく生地を切り刻まないように長方形にカットします)。それを俵状に縦長に「海苔巻きの様に」巻いて俵型にします(大きな気泡は軽く生地を叩いてつぶしても良いですが、細かい気泡は「パンの熟成香」が詰まっていますので潰さないようにしましょう)。これを「仮成形」といいます。そしたら30分ベンチレーターをして寝かします。その後成形。ざっくり110gの生地が3つ取れましたので、1つをチーズクッペ、2つをベーコンエピに成形します。チーズはダイスカットにした普通のチーズを60g(40g~50gで十分かも)を生地を縦長にしてチーズを敷き詰め、また海苔巻きの様に巻いていきます。最後に端っこを軽く閉じて、フットボール型にします。生地の綴じ目は下にして、キャンパスシートに乗せます。ベーコンエピは、スライスベーコンのサイズに合わせるように伸ばして、ベーコンを敷きます。そこにあらびき胡椒を適量、粒マスタードを適量のせて、横長に巻いて成形します。ベーコンエピにするパン生地は端っこを軽く閉じます。ベーコンエピにカットしないベーコンフランスはあえて、端っこからベーコンが見えるように成形します。綴じ目を下にしてそっとオーブン皿に敷いたキャンパスシートにのせて、終了です。水分の多い生地なので、キャンパスシートにはよく粉を振っておきましょう。

分割の模様
仮成形の模様
成形で具をのせてる様子
成形が終わったところ。下からチーズクッペ、ベーコンフランス、ベーコンエピ

3、二次発酵>焼成

オーブンレンジを「35度の40分」の「発酵モード設定」にして、キャンパスシートに乗った生地の入ったオーブン皿を投入して、二次発酵を取ります。二次発酵が終わったらオーブン皿を取り出し、生地は表面が乾かないように、常温で覆いをしておきます。その間にオーブンを240度に予熱しておきます(もう一枚のオーブン皿をあらかじめ入れておきましょう)。ベーコンエピはここでカット成形の作業をします。キャンパスの幅を少し広くとり、ハサミで棒状の生地を下を少し残しながら深くカットして、左右にねじる様に断面をずらしてやります。こうすることでエピィ=麦の穂の形の完成です。予熱が完了したら、熱々のオーブン皿を取り出して、そこに素早く生地を置いて(実はこれが面倒。薄いまな板とかでそれを「取り板」にしてキャンパスシートをたくし上げるようにして、ひっくり返すようにして「取り板」に生地を逆さにのせ、その「取り板」を熱々のオーブン皿の上でそっと、またひっくり返すようにして生地を乗せます。火傷注意です。)そのオーブン皿を投入。オーブン庫内に水の霧吹きをかけて(オーブン備え付けのスチーム用のお水の皿も投入できると尚いいです)(こちらの一連の作業は素早いほうがオーブン庫内が冷えないので具合が良いです)、220度の15分で焼きます。焼成後は、パンを取り出して、網の上などで冷ましましょう。この小難しい説明、、動画作ってみました!https://youtu.be/_0ioIhaml90

以上になります。

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チーズを入れすぎて完全にクープが隠れてしまったチーズクッペ。でもそのくらいが良いんですよね!焼きたてを頬張りつつ断面を無心で眺めている様子。どんなにつらいことも一瞬、忘れさせてくれる至福のひと時。

※業務用レシピ

こちらが基本のフランスパンの業務用レシピになります。フランスパンに使う粉として扱える範囲の物の粉であれば、たいていの粉は対粉68%の水分がパンとして形作れるマックスの水分量だと思います(粉と水、イーストと塩だけでパンを仕上げる場合)。私のこちらのレシピでは、粉に全粒粉を2種類、2%づつを内粉として配合しています。全粒粉の類は小麦粉以上に水を吸うので、+2%の70%の水分になっています。グルテンをよく引き出すことや(ハードトーストなどがこれに該当)、熟成時間を長くとることで、水分量のマックス値を僅かに上げることもできます。水分の多いパンは、発酵、熟成、アミノ酸への分解などが盛んにおこなわれ、おいしいパンができます。塩分はしばらくの間2%前後が主流でしたが「健康のための減塩志向」が一般的に普及して、いまでは、1~1.5%が主流になっています。とはいえ、小麦粉の味わいを引き立たせる唯一の薬味が塩分なので私は1.5%を基本にしています。チーズクッペやベーコンエピなら具材の塩分もありますので物足りなさを感じることはないと思います。なお、下のレシピには「具材」などは表記していません。ぶっちゃけ、基本のフランスパンが美味しくできれば、具材は自由です。具材を入れるとパンは途端に火通りがよくなりますので、「フランスパン的なもの=チャバタ」より焼成時間の短い15分になります。焼成は「具の有無」「好みの皮の厚さ」などで温度、時間を調整してください。レシピは以前の記事の「フランスパン的なもの」とほぼ一緒、水分が2%だけチャバタの方が多い。というだけです。

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