デニッシュで紹介した「ヌスフュルンク」=クルミの詰め物、ケーキクラムベースのフィリング=「ケーキクラムフィリング」はパンと相性がいい!

パンレシピ
あんこや、ジャムの食パンに比べて、具の量がしっかりあって、隙間もすくないでしょ!これがケーキクラムフィリングの強みです。

こんにちわ。デニッシュで使ったクルミのフィリングは、ケーキクラムというケーキの端材をつなぎに使った詰め物でした。実はこれは応用範囲が広いです。牛乳で溶き伸ばせば、ペースト状にもなります。上の写真は「比較的リッチな食パン生地」に「ケシの実のペースト(=モーンマッセ。と業界ではいいます)」を巻き込んで焼いてみたものです(ちなみに、普通に超旨いです)。ドイツパン屋さんでは、通常プルンダー生地(=デニッシュ食パン生地)か、デニッシュ生地に巻き込んだり塗り広げたりして、パンにすることが多いです。通常、あんこは糖質の増粘力のみ、ジャムは+植物性増粘剤のペクチンのみでジェル状やペースト状を維持します。単純な水溶性物質なので、パン生地と一緒に焼き込む場合は水分調整が重要だったりとか、糖質の比重が比較的重いため使用する量に限界があったりします(パン生地を押しつぶしてしまうため)。しかし、ケーキクラムフィリングはケーキ生地を乳化剤代わりにして「フィリングのベース」「糖質」「水分」の相互癒着を高めています。また「ベース」「糖質」「水分」だけの構成のあんこやジャムと違って、ケーキクラムフィリングはそこに「ケーキクラム」が+されるので質量が重くてパン生地に影響を与えやすい「水分」「糖質」の成分を落とすことができます(フィリング自体の重量も落とすことができます)。そしてなにより、ケーキ生地の成分がパン生地に近いのでパン生地によく癒着します。フィリングの構成要素はハンバーグの解釈(=肉フィリング)に近いかもしれません。日本ではマイナーな手法ですが、応用範囲は広くバリエーションが更に広がると思います。このフィリングは、通常ペーストにしづらいナッツ豆類や、硬質穀類をペースト、フィリング化するのに向いています。是非、お試しください。

上の写真のパンは、「比較的リッチな食パン生地」230g(×2個分)を長方形に平たく伸ばして、そこに「ケシの実ペースト」を100g(×2枚分)づつ塗り広げてクルクルと海苔巻き状に巻いて綴じ目をしっかり閉じます。それを2つ作って、綴じ目を下にして、1.5斤の食パン型につめて焼きました。ホイロのとり方、焼き方は「比較的リッチな食パン」と一緒です。総量は「比較的リッチな食パン」生地560gに「けしの実ペースト」200g=1.5斤型1つ分になります。美味しいですが「けしの実ペースト」の味がすこし出すぎている気もしたので80g(×2枚分)=160gでもいいかもしれません。

ここでは王道の2タイプを紹介いたします。まずは、硬質穀類タイプのフィリングの代表格の「ケシの実ペースト」を紹介します。

冷蔵庫で1週間位、冷凍保存もできます。

ケシの実 50g

牛乳 150g

糖質 50g

アーモンドプードル 10g

ケーキクラム 50g

ラム酒 少々

シナモンパウダー 少々

レモンかオレンジの皮のすりおろし 少々(レモンなら1個の半分の皮位)

バニラ少々

ケシの実は炒って、軽く粉砕しておきます。すり鉢でも(硬質物対応の)フードプロセッサーでも○。

糖質と牛乳を鍋で温めたら、ケシの実、アーモンドプードル、ケーキクラムを入れて、煮立たせつつ、木べらで練るように攪拌します。硬くなりすぎるようなら、牛乳を追加します。香りが立ってきてフィリングが均一になったら、火からおろして、冷まします。

冷めたら、ラム、シナモン、柑橘類の皮のすりおろし、バニラで味を整えて、保管します。

使う用途に応じて、牛乳で溶き伸ばしたりしてください。

次にナッツ類のフィリングの代表格、「クルミペースト」を紹介します。

扱いはケシの実と同様です。

クルミパウダー 100g

牛乳 100g

バター 15g

糖質 50g

アーモンドプードル 10g

ケーキクラム 50g

ラム酒 少々

シナモンパウダー 少々

レモンかオレンジの皮のすりおろし 少々(レモンなら1個の半分の皮位)

バニラ少々

糖質と牛乳とバターを鍋で温めたら、クルミパウダー、アーモンドプードル、ケーキクラムを入れて、煮立たせつつ、木べらで練るように攪拌します。硬くなりすぎるようなら、牛乳を追加します。香りが立ってきてフィリングが均一になったら、火からおろして、冷まします。

冷めたら、ラム、シナモン、柑橘類の皮のすりおろし、バニラで味を整えて、保管します。

使う用途に応じて、牛乳で溶き伸ばしたりしてください。

以上になります。硬質穀類タイプは、ゴマや、キヌアなんかでも面白いかもしれません。ナッツ類タイプは好きなナッツをフードプロセッサーでパウダー状にすればなんでも○です。マロンペーストなんかもいいかもしれません。あんこじゃないですが、ゆで小豆をナッツに見立てても面白いかもですね。

硬質穀類は、砕くと非常に多くの油分が染み出してきます。また原材料自体の水分は少ないです。逆にナッツ類は穀類ほど油分が多くなく、また硬質穀類に較べれば多くの水分を持っています。水分が多いということは固形成分はその分希薄になりますので、ベースを50g(ex.ケシの実)>100g(ex.クルミパウダー)に増やし、代わりに牛乳150g>100gにへらして、バター15gを別途投入。2タイプとも、基本この違いしかありません。

また、硬質穀類は、フードプロセッサーで細かくするほど、味がよく出ます。逆に粗目にすれば、プチプチカリカリした食感を楽しめると思います。その加減はお好みで。

最後に一番シンプルなケーキ生地を紹介します。勿論ケーキクラムはプレーンなケーキ生地ならなんでも構いません。普段からケーキ生地を裁断したときに出るケーキくずを冷凍しておくとよいでしょう。わたしは、ケーキ自体そんなに食べないので、それ用に作り置きしたのを紹介いたします。

ケーキクラム=ただのケーキ生地の屑。冷凍庫から出したので雲ちゃってます。適当に手で粉々にして、冷凍保管です。

全卵 2個分(100g+ちょっと)

きび糖 60g

国産薄力粉 65g

材料はこれだけです。甘い卵焼きに小麦粉を足しただけ。です。「ケーキは手軽なんだ」ということがわかると思います。皆様、お気軽にパン、お菓子を家で作りましょう!w。コツ①、砂糖と、卵はしっかり擦り混ぜる。コツ②、卵黄は40℃で硬化し始め、卵白は60℃で硬化し始めることを利用します。キッチンボールを下から温めて、卵を40℃弱の温度にしながら、ホイッパーでしっかり泡立てましょう(特に”共立て”⦅全卵ごと、泡立てること⦆は大変なので、無理せずハンドミキサーを使用するのが吉です)。コツ③、小麦粉は振るっておき、こまめに素早く、サックリ混ぜましょう。

40℃弱で全卵ごと、しっかり泡立てるとこうなります。生地を垂らすと、筋目と段差が残ります。ケーキ屋さんはこれを「ボウワン状」と呼ぶそうです。

で、180℃のオーブンで25分焼いたのが、2つ上の写真(カステラみたいなヤツ)です。正直、ボッソボソで、単体ではそんなにうまくないです。でもケーキクラム用に作ったので、これで十分なのです。あのカステラもどきを手で粉々にして、ジップロックしたのが、3つ上の写真です。

追伸:しばらくの間、「デニッシュ食パン」の記事にバグと、誤記があった事をお詫びします。折り込みバターは125gとなっていましたが、75gの間違いです。あと、動画リンクもエラーしています。今回作ったクルミペーストを利用して、「デニッシュ食パン」の姉妹品をご提案、紹介しようと思ています。その時に「デニッシュ食パン」の記事も一緒にリライトしようと思っています。今後とも宜しくお願い致します!

では、また!

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