デニッシュ食パン(もっともスィーツ色の濃い食パン)

パンレシピ

上が実際の写真です。トーストするだけでバターの香りが立ち、ハラハラと剥がれるような層と、ソフトな食パン生地の食感。それはそれは、また別格の味わいです。

食パンのジャンルの中で最もスィーツ色の強い食パンだと思います。以前ブームになったこともありますしね。日本人が特に好むタイプだと思いましたのでここにあげました。実はデニッシュ食パンの原型にはドイツ発祥の「プルンダーブロート」というのがあります。これは小さく成形したプチパンになりますが、これを食パン型に詰めたのが「デニッシュ食パン」になります。とりあえず、旨いです。が、案の定糖質、脂質高めのメニューになります。勿論、当ブログでは「低糖質」「優良脂質使用」「保存料不使用」なので、一般のデニッシュ食パンに較べればヘルシーだと思います。ですが、健康のためには「適量の摂取」が重要だと思いますので、一回の摂取量分をスライスしておいて、冷凍保管。随時、解凍(+トースト)していただくのをお勧めします。

レシピ:1.5斤型1つ分

国産強力粉 300g

きび糖 12g

はちみつ 6g

オリゴ糖 6g

カラントシュガー 6g

コンデンスミルク 6g

トレハロース 6g

インスタントドライイースト赤 4.5g

ローズソルト 3g

練り込み用グラスフェットバター 15g

冷水 156g

レモン汁 3滴

卵黄 9g

生クリーム35%~45% 30g

折り込み用グラスフェットバター 75g

1、ミキシング>突き丸め>一次発酵開始

液類(水、レモン汁、生クリーム、卵黄)>イースト以外の粉類+練り込み用バター>イーストをミキサーに投入して低速3分、高速20分。ミキシングします(オールインミキシング)。途中、ミキシングボールにせりあがった混ざってない材料をゴムベラで掻き落としてフォローしてあげます。ミキシングが終わったらキッチンボールに移し、3分~5分手で捏ねて丸めてあげます。仕上げたら、ビニール袋でフタをして60分発酵を取ります。

2、生地冷却>折り込み作業(一日目)>生地冷却(次の日に持ち越す:オーバーナイト)

一次発酵が終わったら、生地を座布団状に潰して、冷凍庫で1h冷やします。冷凍冷却が終わったら、今度は冷蔵庫に移して1h冷やします。これで、生地の芯まで冷蔵温度になっていると思います。冷蔵庫から出す前に、折り込みバター125gを用意します。折り込み用バターの作り方は「クロワッサン」のレシピを参照してください。で、折り込みに入ります。折り込み作業(前半)は「クロワッサン」のレシピと全く一緒なので、そちらを参照してください。結果、3つ折り×2回が済んだ座布団生地になっています。それをビニール袋で包んで、冷凍庫で1~3h、その後、冷蔵庫に移して10h前後寝かします(オーバーナイト)。動画作ってみました!https://youtu.be/QEf4ngBtHGw

3、折り込み作業二日目(前半、後半)>成形>二次発酵>焼成

翌日、3つ折り×2回の生地を取り出し、同じ要領で3つ折り×1回をして生地厚を6~8㎜まで伸ばして冷蔵庫で1h寝かします(生地が熱をもってしまっているときは最初に一時的に冷凍庫にいれて粗熱を取るのもありです)。                                    ※折り込み作業二日目(前半)の動画はこちらです。→https://youtu.be/GQdMicg9EM4寝かし:ベンチレーターがおわったら、成型に入ります。最後に四つ折りに入ります。が、その前に「幅だし作業」をします。三つ折り作業の過程で生地は長方形になっていると思います。そして毎回、長方形の長い辺を3つに折りたたむのですが、その前に最終成形に備えて、長方形の短い方の辺を40㎝に伸ばします(※この作業が幅だしになります)。それから、最後の四つ折り作業に入っていきます。結果、三つ折り×3回+四つ折り×1回の厚さ2~3㎝、長い辺の方が40㎝ある、短冊状の生地ができると思います。それを縦長に置き、その長方形をさらに縦長方向に包丁で3等分します。長さ40㎝の「ひも状」の生地が3本できると思います。それを「三つ編み」成形していきます。40㎝前後あった「ひも状」は編むたびに短くなっていき最後には長さ20㎝前後の三つ編み成形生地が出来上がります。これを、油を敷いた食パン型にセットします。 ※折り込み作業二日目(後半)の動画https://youtu.be/llKIEREYMaYフレッシュバターは33℃以上で溶けだしてしまうので、さらに、生地が冷えているので、「30℃の3時間」設定でオーブンレンジで発酵を取ります。生地の容量が75%に達したらオーブンレンジから生地を取り出し、オーブンレンジを180℃で予熱開始。生地の容量が型に対して85%に達したら、180℃の予熱が完了したオーブンレンジに鉄の網を置きその上に生地の入った食パン型を置き13分焼成、途中、食パン型を素早くひっくり返してもう13分焼成(180℃のトータル26分焼成)。焼きあがったら、素早く生地を型から外して、網の上で冷ます。

※業務用レシピ

長らくお待たせしました。デニッシュ食パンの業務用レシピです。デニッシュ、クロワッサンの「折り込み生地」と、「食パン生地」の中間的な配合になります。

デニッシュ、クロワッサンの標準的な配合は「粉1kg仕込み=生地総量約2kg:500gのシートバター」を折り込むことでパイのような層が出来上がります。生地総量の1/4のバターを使用することが層を形成する際の標準的な比率になります。そして、デニッシュ、クロワッサンは平均して3×3折り(=27層)か、3×4折り(=36層)で、最終生地の厚さを2.5㎜~3.5㎜で仕上げます。つまり、生地とバターの一層を0.1㎜前後で仕上げることがきれいな層を作る秘訣になります。これ以上薄くすると、バターは生地になじんで層が形成されず(パイ生地は層をそれ以上に薄くしますが、必要以上のバターを投入することで生地になじみきらない固形物をわざと残しています)、ただのバターロールのようなパンになってしまいます。それ以上にバターの層が厚いと焼き込み時に生地から流れ出て、層は荒く食感が「ゴチゴチ」と硬く感じてしまいます。ここまでがデニッシュ、クロワッサンの法則です。

次にデニッシュ食パンの標準的な配合は「粉1kg仕込み=生地総量約2kg:250gのシートバター」を折り込むことでデニッシュ食パンらしい層のあるソフトな生地が出来上がります。解釈はデニッシュ、クロワッサンの法則と一緒の延長上になります。まずは、3×3折り(27層)で、最終生地の厚さを6㎜前後に抑えておきます(綿棒で手延ばしだと丁度6㎜の厚さくらいが自然な限界点だったりもします。)。つまり、生地とバターの一層を0.2㎜前後で仕上げることがデニッシュ食パンの「肝」になります。バターの量を半分に抑えているということは、(デニッシュ、クロワッサンと比較してみますと)バターに対して生地量が2倍になることを意味します。そのうえで最終的な生地の厚さを(普通のデニッシュ、クロワッサン生地の3㎜前後と比較して)倍の6㎜前後で仕上げることで、バターの層の厚さは普通のデニッシュ、クロワッサンと一緒。生地の層の厚さだけが普通のデニッシュ、クロワッサン生地の2倍の厚さ。という状態になり、これが普通のデニッシュ、クロワッサンの「薄い膜のような生地の層」と、デニッシュ食パンの「層はあるけど、間の生地が食パンのよう」という違いを生み出します。普通のデニッシュ、クロワッサンのようにやはり、これ以上厚くても薄くてもデニッシュ食パンを上手く作ることはできません。これがデニッシュ食パンの法則です。デニッシュ食パンの層になる生地の部分は「紙のようにペラペラにするのではなく、ソフトで厚め」にするのでしっかりミキシングしますが、冷却で劣化を防ぐためフロアーは30分にとどめます。

また、デニッシュ食パンには「三つ編み成形」が非常に有効になります。一つ目は、スライスした四角い食パンに様々な方向に層が入り混じることによって、どこから食べても「層」を感じることができます。2つ目は、編みパンは内側にも外側にも膨らみますので生地の密度を均一に保つことができます。特に層のある生地は、普通の食パンに比べてその「層」によって生地同士の癒着が弱いので「三つ編み成形」はその弱点を補います。

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