フィリング・クリームの基本形、「カスタード・クリームベースのフィリング各種」を紹介します。前回がいきなり応用編の「ケーキクラム・フィリング」だったので!

お菓子と他のレシピ
左上が「基本のカスタードクリーム」、右下が「英国風レモンカード」。わたしはレモンカードにもきび糖を使用しているので、少し色がくすんでいますが、上白糖、グラニュー糖を使えば綺麗な「黄色」に仕上がります。

こんにちは。まずは基本のカスタードクリームを紹介します。以前の記事でも過去に2回紹介しています。ここでは、私が多用している基本形のカスタードクリームをそのまま以前の記事からコピペします。そのほうが色々とカスタードクリームの応用性に「気づき」が出ると思うからです。

①カスタード・クリーム

別記事でカスタードクリームを紹介しましたが、その延長で、私が最もお菓子でクリームとして使う際にお気に入りなのが、この配合です。卵は卵黄のみ、卵:糖質:液体=2:2:10で標準採用、液体は牛乳使用、別記事の「カスタードクリーム」の凝固剤としては、液体(牛乳)の1/10の小麦薄力粉が標準として推奨していますが、ここでは、米粉を使用。米粉は小麦粉より凝固力が高いので小麦粉の使用量の2/3に抑えます。そして、米粉にはグルテンが含まれていませんので、舌触りがしっとり、ねっとりと濃厚に仕上がるくせに、舌にべっとり残る感じがありません。とっても濃厚でくちどけの良いクリームが出来上がります。それが、下の配合です。最小単位なので、必要に応じて倍率で増やしてもいいと思います。

卵黄 30g

糖質 30g

牛乳 150g

米粉 10g

バニラオイル 4滴

バター 7.5g

カスタードクリームは卵が味のベースになります。なので、バターと小麦粉で火にかけながら練って、しっかりとした香ばしさを出す必要はありません。小麦粉は一回煮沸状態のクリームを確認して、火が通ってさえいればOKです。よって、作り方が変わります。まずは、糖類と卵類をよく擦り合わせます。そこに米粉を入れてよく混ぜます。その間に牛乳を煮沸しておきます。牛乳が煮沸を始めたら、最初の卵液にその牛乳を一気に加え、部分てきな塊ができないようにすばやく、ホイッパーでかき混ぜます。そうしたら、その液ごと、牛乳を煮沸した鍋に移し戻し、火にかけます。焦げ付かないようにホイッパーで底を掻きながら混ぜて続けて、煮沸が始まったら、出来上がり。出来あがったら、すぐさまバター、バニラオイルを投入して、溶かし混ぜます。バターがなじみ終わったら、静かに冷まします。冷めるほどにドンドン硬化していきます。

カスタードクリームは、別称「クレーム・パティシエール」といいます。「お菓子屋のクリーム」って訳でして、如何にパン・お菓子を作る人にとって重要なクリームであるかを物語っています。ちなみに料理の世界では砂糖を控えたりして「アングレーズ・ソース」と言われたりします。

②クレーム・フランジパーヌ

こちらはカスタードクリームベースの代表格のクリームになります。アーモンド味のクリームです。まずはアーモンドクリームを作ります。

②ーA アーモンドクリーム

糖類 50g

バター 50g

全卵 50g

アーモンドプードル 50g

こちらは簡単にできます。まずは、バターを柔らかくして糖類とよく擦り混ぜます。次に、卵を混ぜます。よく混ざったら、最後にアーモンドプードルを入れて混ぜて完成です。アーモンドプードルはグルテンが入っていないので、「ヘラでサックリ混ぜる」とか関係ないです。ホイッパーでそのままグリグリ混ぜちゃってOK。

②ーB クレーム・フランジパーヌ

アーモンドクリーム 200g

カスタードクリーム 100g

これを混ぜるだけで、クレーム・フランジパーヌの完成です。アーモンドプードルはナッツの粉末なんで、正直、前段階のアーモンドクリームだけでも、火を通さずともそのままクリームとして味わえます。ただ、アーモンドクリームの段階のままクリームとして頂くと少しくどくて舌触りも荒く、味のまとまりも今一つです。実は「デニッシュ」の記事に出てきています。アーモンドクリーム単体としてはクッキーの様に焼くとそのうまさが引き出されます。なので、そのクリームを焼くときは「アーモンドクリーム」。そのままクリームとして頂くときはカスタードクリームで割って「フランジパーヌ」。にするのが一般的です。なお、一般的なレシピは「アーモンドクリーム:カスタードクリーム=1:1」の割合になりますが、わたしのレシピはカスタードクリームが卵黄オンリーで緩くなりがちで、アーモンドの風味を重視するので「アーモンドクリーム:カスタードクリーム=2:1」にしています。また、アーモンドプードルからは結構な量のアーモンドの油が染み出てきます。その油が「生臭い」と感じる人もいるようです。その際は、アーモンドプードルを空煎りして、ローストアーモンドプードルにして使用します。ちなみにアーモンドプードルは非常に焦げやすいので、煎るときは注意しましょう。

③チーズクリーム

共に「チーズクリーム」。左上はカスタードクリームで割ったもの。右下は「レモンカード」で割ったもの。

こちらも、カスタードベースのクリームの”代表格その2”といえます。チーズクリームとは、クリームチーズをベースに加工してクリーム単体で食べて美味しいように仕上げます。某超有名デニッシュ店の永遠の定番「ダークチェリーデニッシュ」の下に敷いてあるのが、このクリームです。

③ーA クリームチーズに糖類を加えてよく混ぜたもの=チーズクリームベース

まあ、見たままですw

クリームチーズ 200g

糖類 80g

クリームチーズを常温に戻して柔らかくしておきます。そこに40%相当(ここでは80g)の糖類を加えて、よく擦り混ぜます。これで、チーズクリームベース完成。

③ーB チーズクリーム

チーズクリームベース 280g

カスタードクリーム 140g

レモン汁15g

チーズクリームベース 280g

レモンカード 140g

チーズクリームベースにその半量のカスタードクリームを混ぜたら、レモン汁で味を整えて完成です。これが、上の方の基本レシピになります。もう一つのパターンは、チーズクリームベースにその半量のレモンカードを混ぜて作るタイプです。違いは、上のレシピのカスタードタイプはまろやかで味の一体感のバランスが良い、スタンダートタイプです。下のレシピのレモンカードタイプは、チーズの風味と、レモンの風味がソリッドに感じられます。わたしは、後者が好みです。どちらを採用するかは、皆さんのお好みかと思います。

④レモンカード

記事の一番上の写真の右下のやつですね。これは、カスタードベースのクリームとは異なりますが、”変わり種カスタード”の一種として紹介します。

レモン 2個(果汁40g+すり下ろした皮10g=1個50g相当)=100g

糖類 100g

バター 120g

全卵 2個(1個55g~60g相当)=110~120g

これも作り方は簡単です。レモンは最初に黄色い皮の部分を全面すり下ろします。ヘタ部分を最初にカットしておいてから擦り下ろすと楽です。次に皮がなくなったレモン本体から果汁を取り出します。くし切りにして、中心部の種をのぞいたら、しっかり絞ります。鍋に「擦り下ろしレモンピール」「絞ったレモン果汁」「糖類」「バター」を入れて、火にかけます。全部の材料が溶けたら火を止めて、いったん冷まします。35度以下に冷めたら、全卵を投入します。よ~くホイッパーで混ぜ合わせます。よく混ざったら、火にかけなおして、カスタードクリームの様にホイッパーで絶えず底をかき混ぜて部分的に卵の成分が固まらないように、焦がさないようにします。プツプツと、煮沸が始まったら、火からおろして、冷まして完成です。

レモンカードに使うレモンは皮も使うのでなるべく「有機栽培」のものがいいかと思います。そうじゃないものは、レモンの表面をよく洗ってから使いましょう。卵ベースなんで、分類上はカスタードなのですが、牛乳を一切使用しないのでさっぱりした味わいが特徴です。ジャムの一種と分類する見方もあるので、「カスタードとジャムの中間」と解釈するといいのかもしれません。レモンカードは、バタートーストの上に薄く塗ったり、ヨーグルトにかけたり、「甘いドレッシング」として使うと、とても美味しいです。勿論、今回の様に「チーズクリーム」の割下に使うのもありです。単体で味わうと、レモンの酸味が強すぎるのでなにかと掛け合わせて食するのがレモンカードを味わうのによいかと思います。でも、とっても美味しいので、是非、作ってみてください。

⑤バブカクリーム

指で押して「いい感じ」。完成してジップロックしたバブカクリーム

今、巷で話題の「バブカパン」のクリームを作ってみました。濃厚なチョコレートクリームにがっつりとしたシナモンの風味が「アメリカンだなぁ~、ジューイッシュ(ユダヤパン風)だなぁ~」と感じました。これはこれで、美味しいですよねw。なんか調べたら、濃厚なチーズクリームを使うパターンもあるみたいですね。シナモンチョコクリームと、チーズクリームを交互に巻き込んでパンにしても、相当旨いイメージしか湧かないですよねw。

クーベルチュール 100g

糖類 40g

生クリーム 50g

バター 50g 

カスタード 200g

アーモンドプードル 10g

シナモンパウダー 10g

バターとクーベルチュールを湯煎で溶かしたら、糖類をいれて、よく溶かし混ぜます。次にアーモンドパウダー、シナモンパウダーをいれて混ぜます。湯煎からおろして生クリームを投入、よく混ぜます。チョコが冷めるまえに速やかにカスタードを投入してよく混ぜます。冷ましたら、完成です。

湯煎からおろして、生クリームを混ぜ終えた所。このまま冷ませば、ただの生チョコw

今回は最後にカスタードベースで、オリジナルバブカクリームを作ってみました。チョコはそのままだと、カッチカチになるので、今回はチョコのベースになるクーベルチュール1に対して、2倍のカスタードクリームを使って、丁度良い硬さを再現しました。もっと柔らかくする場合は、カスタードを追加するか、牛乳で溶き伸ばすとよいでしょう。こんな風にして、皆様もカスタードベースで色々なクリームを作って楽しんで頂けたらな。と、思っています。

では!また~。

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