フランスパン的なもの=フィローネ・コマシオ

パンレシピ

(記事中の)上が実際に作って焼きあがって、粗熱が取れただけの状態のプレーンな写真。

たまに、純ハード系のパンも食べたくなります。でも、頻度はごく低いので、「ハード系パンを一択だけを選択するとしたら?」と考えて「ハード系パンの様々な要素を取り入れたパン」としてこちらを紹介します。

1、大ぶりのハード系パンはえてして食べきれないですよね?=大き目のフィセル基準がいいかなと。

2、基本粉と、水と、塩と、イーストだけの4種類で作られるので、生地自体の味わいは本格的にしっかりしたいよね。=長時間発酵と多めの水分で、「リュステックの製法」と、「チャパタの製法」を取り入れて作りました。勿論素材は本格的に。実はこちらのパン、分類上は「細長いチャパタ」の仲間です。

3、ハード系なんで、皮はパリッとしていても、皮が分厚くて「食べにくさ」を感じるのは嫌だよね。=で、焼成時間が20分以下で済む、フィセルクラスのサイズをチョイスしました。

今回、ユザワヤで凧布6号を少量購入して、オーブン備え付けの「オーブン皿」に合うようにカットして、「キャンパスシート」として、家庭用製パン用具に追加いたしました。

あと、100均で「霧吹き」を購入して、水を投入。生地の乾燥防止や、オーブン庫内の湿度を追加増しにしたい時に使いました。

レシピ:フィセルサイズのフランスパン3つ分

キタノカオリ 192g

春よ恋全粒粉 4g

北海道産ライ麦粉全粒粉 4g

ローズソルト 3g

インスタントドライイースト赤 0.4g

水 144g

レモン汁 3滴

モルトエキス 1.5g

1、ミキシング>一次発酵

最初の注意点は、イースト、塩は、正確に測りましょう。液類>粉類の順にミキサーに投入し、低速3分。フタを開けながら、高速7分(この時、生地がミキサーのプロペラから外れて「空回り」状態にならないように、常に掻き落としをしつつ、生地がプロペラに絡むようにゴムベラで誘導してあげましょう。ミキシング終了後、2リットルくらいの容量のタッパーに油を薄く敷いておき、そこに生地を投入してフタをし、一次発酵を取ります。6~9時間発酵を取ります。「パンを作りたいな」と思う日の前日の寝る前にこの作業をすると、効率が良いです。

2、パンチ>一次発酵>分割(成形なし)

6~9時間経過したら(朝起きたら)、ゴムベラで生地をたたむように寄せ集めて逆さにして、綺麗な面を上にしてフタをします(水分過多でベトベトしますのでお気を付けくださいまし)。更に3時間発酵を取ります。発酵終了後、分割(ここで成形作業も兼ねることになります)に入ります。まずは、キャンパスシートに打ち粉を擦りこませ、そこに生地の入ったタッパーを逆さにして、そっと(ゴムベラとかで補助しながら)生地を取り出します(なるべく「お豆腐」みたいに生地がそのまま出てくるように心がけましょう。「ぐしゃっと折り重なって生地が出てくる」のはNG)。逆さまになって取り出された生地の底面だった部分に打ち粉を多めに振り、キャンパスシートをたくし上げて、生地をひっくり返しましょう。そして表面にも軽く打ち粉をして、手で軽く、長方形に整えてあげましょう。しかたなく、出っ張った端の部分が出た場合は、下に巻き込むようにたたむといいです。で、その長方形の生地を、包丁やスケッパーや、カードなどで更に細長くなるように3等分にカットします(3本の長い短冊型が取れた状態ですね)。それをそっとオーブン皿に敷いたキャンパスシートにのせて、終了です。

3、二次発酵>焼成

オーブンレンジを「35度の40分」の「発酵モード設定」にして、キャンパスシートに乗った生地の入ったオーブン皿を投入して、二次発酵を取ります。二次発酵が終わったらオーブン皿を取り出し、生地は表面が乾かないように、常温で覆いをしておきます。その間にオーブンを240度に予熱しておきます(もう一枚のオーブン皿をあらかじめ入れておきましょう)。予熱が完了したら、熱々のオーブン皿を取り出して、そこに素早く生地を置いて(実はこれが面倒。薄いまな板とかでそれを「取り板」にしてキャンパスシートをたくし上げるようにして、ひっくり返すようにして「取り板」に生地を逆さにのせ、その「取り板」を熱々のオーブン皿の上でそっと、またひっくり返すようにして生地を乗せます。火傷注意です。)そのオーブン皿を投入。オーブン庫内に水の霧吹きをかけて(オーブン備え付けのスチーム用のお水の皿も投入できると尚いいです)(こちらの一連の作業は素早いほうがオーブン庫内が冷えないので具合が良いです)、210度の20分で焼きます。焼成後は、パンを取り出して、網の上などで冷ましましょう。

以上になります。

4、補足(そのあと、こんな風に仕上げました)編

カスクルートサンドに、

ブレッドナイフで側面にカットを入れているところ。良い内相です。グルテンの薄い膜もよくアルファー化してツヤツヤしているのが伺えます。

と、いうことで、定番のカスクルートサンドの出来上がり。一つは、ハム+カマンベール+胡椒少々。もう一つは、葉っぱ+サワークリーム+スモークサーモン+オニオンスライス+胡椒少々+レモン数適+乾燥ハーブ少々(本当はホールのディルを使いたかったのですが、売ってませんでした。「爽やかな風味」のハーブなら他のでもいいと思います)。

オリーブオイルを垂らしながら頂きます。これ2人分ですね、、、半分づつ食べよう、、、。

ご馳走様です!では、また。

※業務用レシピ

少量の酵母(イースト)で長時間発酵を採用することで、生地を熟成し、生地の旨味とパン生地の伸展性を両立します。オーバーナイトにすることで、時間短縮をしています。カットしたまま成形をしないで二次発酵(ホイロ)をとりますのでベンチレーターは取りません。これにより成形できない位の水分の多い生地を焼くことが可能になります。水分の多い生地は中身はみずみずしく、より熟成したうま味を堪能できます。なお、非常に水分が多い生地なので、分割時、二次発酵(ホイロ)で使うときのキャンパスシートは手粉をしっかり使いましょう。なお、前回は水分の一部をビールに差し替えてモルトエキスの代替えをしていましたが、やはりお値段が高くつくので、モルトエキスの使用に差し替えました。製菓材料店で冷蔵状態で普通に売っていると思います。モルトエキス(麦芽エキス)は、生地の風味アップ、イーストの活性化、生地の伸展性に一役買ってくれます。長期の保管が可能ですので、買っておいて損はないです。モルトエキスが調達できない場合は先述の通り、水分の一部をビールに差し替えることで代替えができます。

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