上が実際の写真。手前から「ドッグバンズ」「ハンバーガーバンズ」「チョコスティックパン」「あんぱん」「バターロール」。
標準的なバターロール生地を少しリッチにすると万能なソフトプチパン生地になります。そのままバターロールでパンとして頂くのも良し、菓子パンの生地としてあんぱんや、チョコスティックパンにしてもいい感じ、果てはホットドッグや、ハンバーガーの生地としても優秀です。ソフトなプチパンはこの一種類の生地ですべてをまかなえると思います。ここではアメリカ人のホテルのシェフから学んだ「ドゥ・スィート法(クリーミング法)」で行きます。バターロールにはぴったりの工法だと思います。
レシピ:40gの冷凍生地玉が、18個前後
ローズソルト 4g
コンデンスミルク 28g
オリゴ糖 8g
トレハロース 8g
カラントS(顆粒)8g
はちみつ 8g
きび糖 8g
グラスフェットバター 60g
卵黄 24g
キタノカオリor春よ恋 400g
冷水 220g
レモン汁 4滴
インスタントドライイースト赤 5.6g
1、クリーミング>ミキシング>一次発酵
レシピの上から順に塩>糖類>バターをホイッパーでよく擦り混ぜます。バターは常温で柔らかくしておくか、ぬるま湯の湯煎に出し入れしながらホイッパーでよく混ぜ、ホイップ状にします。完全にすり混ざったホイップ状のコア(レシピの食材の芯になる部分。という意味合いですね)に卵黄をしっかり混ぜていきます。ミキサーに冷水>レモン汁>コア(混ぜ合わせたクリーム状のもの)>粉を投入して、低速3分回します。低速が終わったら、イーストを投入して、高速で20分回します。ミキサーのフタは開けながら、ゴムベラでミキサーをフォローしていきます。ミキシング終了後、大き目のステンのキッチンボールに生地を移して「突き丸め」を3~5分してグルテンを繋ぎながら仕上げます。ビニール袋等で生地が乾かないように被いをして、一次発酵を始めます。
2、一次発酵>分割>成形
わたくし個人の見解ですが、こちらの生地は凡庸性が高いので多めに作って、40gの「冷凍生地玉」にしておくといいと思います。冷凍生地玉を使用する際は、使用する前日に冷凍庫から冷蔵庫へ移しておくだけです。当日、成型から始められるのでとても便利です。では、一次発酵の続きから。冷凍生地玉にする場合は一次発酵を30分で終わらして分割に移ります。そのまま当日焼く場合は60分一次発酵を取ります。両方を取るときは(パン屋さんでは「共取り」といいます)、30分経過で冷凍したい分だけ、分割丸めをして即冷凍、残りをもう30分発酵を取ります。分割丸めをしたら30分ベンチレーター(寝かし)を取ります。バターロールは10分だけ寝かして、後に「しずく状(棒に近い円錐形)」にします。そして20分後に麺棒で潰してクルクル巻いていきます。これの前者と後者をそれぞれ、「仮成形」「本成形」などと言ったりします。「あんぱん」なら包あん、「チョコステックパン」なら生地をつぶして海苔巻きの海苔に見立ててそこにチョコチップを散らして海苔巻きのごとく巻き、綴じ目をしっかり閉じて、綴じ目を下にして完成、「ドッグバンズ」も同様に海苔巻きの具なし、「ハンバーガーバンズ」は、麺棒でも手でもいいので円形型をキープしたまま軽く潰して、水を霧吹きして白ごまを付けます。ここは「パンを好きな形にする」というパン作りの一番楽しいところなので、失敗も含めて色々と作り手のオリジナリティー性を発揮して楽しんでください。
3、二次発酵>焼成
オーブン皿にパンを置いて(オーブンシートか天板油を塗布しておくといいと思います)二次発酵を40℃で50~60分取ります。二次発酵後はオーブンからパンを並べたオーブン皿を取り出します。パン生地は乾かないようにビニール袋等で被いをしておいて、オーブンに210度の予熱を始めます。パン生地は表面に「塗り卵」を塗ってもいいと思います(つやが出ます。パンの色目が良くなります。でも、見た目の意味合いがほとんどなので、するかしないかはお好みで。)。予熱が完了したら、190度の10分で焼成します。色むらがあるなら、オーブン皿を180度回転させて更に1~1.5分追加して焼くといいでしょう(それ以上、トータルの焼成時間を長くすると皮自体が厚くなってしまうのでご注意を)。焼成後は網などにのせて冷ましてください。以上になります。
4、補足(こんな風にバリエーションしました)編
こちらは菓子パン生地として仕上げたもの。右があんぱん、左はチョコステックパン(表面積を多く見せるために斜めに切った事が仇となり、少々チョコチップが流れ気味に崩れています、、、)です。普通に旨いです。バターロール、菓子パン系は40gの生地のサイズがいいと思います。
実際の写真。ホットドッグ:大量のピクルスとオニオンでチョリソーが隠れちゃってます、、、ハンバーガー:せっかく厚めに切ったトマトスライスがピクルスとオニオンに覆われて「ケチャップ」みたいに見えちゃってます、、、。
アメリカンソウルフード、ハンバーガー、ホットドッグです。スモークサーモンや、ローストビーフなど、繊細な風味を大事にする場合は「イギリスパン」「フランスパン」でサンドすると美味しいです。が、ハンバーグや、ソーセージやしっかりした味付けのものは、パンが完全に負けてしまってマリアージュの意味合いが薄くなってしまいます。そこでしっかりした甘みと卵黄の風味があるバターロール生地がジャストミートします。わたくし個人は「ウェンディーズ」のまっ黄色なブリオッシュのようなバンズが好きでした(日本撤退してしまいましたが、、、)。具はもうベーシックです。葉っぱ+肉+(チーズ)+(トマト)+ピクルス(orレリッシュ)+ケチャップ(orチリソース)+マスタード+玉ねぎ微塵切り。間違いない美味しさですね!。ドッグバンズ、ハンバーガーバンズは生地量は60gがちょうどいいサイズかと思います。冷凍生地なら解凍後40gの生地を半分に切って、40g生地玉1.5個分を一つにまとめちゃう感じです。
ご馳走様でした!では、また。
※業務用レシピ
多分、もっともポピュラーな(卵が入っている)パンらしいレシピだと思います。工程表にはオールスクラッチタイプ(粉から焼くまでを一連の流れで作ってしまう方法)と、冷凍保管タイプの両方を載せました。糖質に関しましてはコンデンスミルクの糖分が約55%なので、添加量7%はざっくり糖質4%でー3%になりますので、実質の糖類は14%。トレハロースは甘みを感じる成分が砂糖の38%といわれていますので添加量2%は実質の甘味0.7%。なので、感じる甘みは糖類12.7%相当。実質の糖類は14%。で、オリゴ糖2%とカラントシュガー2%と”トレハロース2%の約半分の1%”は糖質とは別に処理されますので14%ー5%で糖質のカロリーは実質9%の糖質に抑えられています。ざっくり糖質のカロリーが約1/3程カットされる計算です。上のレシピは冷凍保存も兼ねてホームベーカリーで捏ねれるマックス量の「粉400g」です。粉100gで約190gの生地が取れますので、今回取れた生地の量は約760gになります。
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