上の写真が実際につくったもの
「普通のふんわり食パン」と対極をなす食パンです。前者は角型食パンで、サンドウィッチとかトーストせずに生地の甘さを味わうタイプでしたが、こちらはなるべく小麦以外の味を排除して、トーストすることで香ばしさが増す素朴な味わいのタイプです。山型にすることですこしでも気泡をふくませて、トーストしたときの香ばしさとサクサク感を味わいます。わたくしめは通常は角食、バターだけのトーストや、「クラブハウスサンド」とか「BLTCサンド」などにはこちらをチョイスします。
レシピ:1.5斤型一つ分
キタノカオリ 384g
北海道産ライ麦全粒粉 8g
北海道産全粒粉 春よ恋(石臼引き) 8g
ローズソルト 5g
インスタントドライイースト赤 3g
コンデンスミルク 15g
バター 12g
水 280g
ユーロモルト 3g
レモン汁(ポッカ) 5滴
1、計量>ミキシング>一次発酵
液類、粉類を各ボールで計量しておいて、液類>粉類の順にミキサーに投入、低速3分回します。低速3分のあとにバター投入、高速30分(ミキサー規格マックス値)回します。高速が10分経過した当たりでミキサーのふたを開けながら運転を継続して、パン生地の捏ね上げ温度が上がりすぎないように放熱を促しましょう。その後(こんだけ生地を捏ねても水分が非常に多いので、グルテンに余分な負荷はかかりません)、キッチンボールに生地を移して3分~5分「突き丸め」をして生地のつながりをなめらかにして、綺麗な表面を上にして、キッチンボールごとビニール袋にかぶせて一次発酵をとります。常温にて100分(一時間40分)>パンチ(ガス抜き作業)>50分と発酵をとります。
2、分割>成形>二次発酵>焼成
発酵が終わったら、230g前後に3等分します。丁寧に丸めて、30分ベンチレーター(寝かし)ます。今回はグルテンの損傷を最小限にするため、成型は麺棒は使わず、手のみで行います。生地を押しつぶしてガスを抜き、丸い形を4つにたたんで「イチョウ型」のようにして、仕上げに端の部分をしたに隠すようにして、「超丁寧丸め」をします。それを3つ作ったら、油を敷いた食パン型に綴じ目を下にして「団子3兄弟」のようにお行儀よく並べていれます。ベンチレーターの作業中に、オーブンレンジを発酵モードの35度に設定しておきましょう。成形が終わった食パン生地の入った食パン型をそのオーブンレンジで60分前後二次発酵をとります。二次発酵の終点は「山型の頂点が食パンの型をはみ出し始めた当たり」です。パンが二次発酵を終えたら、取り出して、オーブンを240度に予熱を始めます。パン生地のほうは、ビニール袋をかぶせて生地がかわかないようにしつつ、常温で更にゆっくり膨らませていきます。オーブンの予熱完了までに15分程度かかりまして、その間にパン生地は常温で生地が型から2~3㎝はみ出している状態になると思います。その状態で焼成を開始します。210度の30分で焼きます。型の下には鉄の網を敷いておきます。焼成時間折り返し時点の15分が経過したら、手袋をして素早くオーブンレンジを開けて、食パン型を180度回転させてサクッとオーブンレンジのフタを閉めて、残り時間の再加熱を始めます。焼成が終了したら、型から取り出して、網の上で冷まします。熱々のうちに(冷めてからこれをすると、耳がベトベトしたりするのでするなら熱々のうちに)パンの山の部分にオリーブオイル等を薄く塗ると見た目がきれいです。
以上になります。
※業務用レシピ
材料に使用している「モルトエキス」は、製菓製パン材料店で普通に売っています。分類は水分にしていますが、少量なので分量には含めていません。なければ、水分の一部を麦芽エキス入りのビールに差し替えても問題ありません。生地への「風味付け」や、生地の伸展性、イーストの育成などに一役買います。生地が極限まで柔らかいので、バターはミキシング初期の低速3分で、ある程度粉と水分を結合させてから投入します。本文中にもありますが、H30”の捏ねはミキシングとしてはマックス値ですが、めちゃくちゃ水分が多いので、グルテンへの過負荷という心配はございません。
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